ケース4 全身の健康だけでなく
目の健康も維持するのが長寿の秘訣(気付き~検査)
鹿児島県の伊藤さん(仮名、82歳)は、6年前まで大病もせず、年齢より若い肉体が自慢でした。
でも、目は「加齢黄斑変性」に蝕まれていたのです。現在は治療で進行が抑えられているので、これまで以上にアクティブに、ウォーキングや体力の維持に励んでいます。

伊藤さん(鹿児島県) 男性 82歳
症状:目が霞む・視力低下
病名:加齢黄斑変性
夕方に目が霞みテレビが見えにくい
80歳を超えましたが、年齢よりもかなり若く見られることが、ちょっとした自慢です。
今でも毎日のウォーキングを日課にしていて、平均すると1万1000歩以上歩いています。
趣味はパークゴルフで、月に数回コースを回っています。
体組成計で測ってみると、実年齢より25歳も若いという結果が出ます。パソコンのキーボードを叩くのも、若い人には負けませんよ。
足腰だけでなく、内臓にも問題はなく、健康にはとても自信がありました。
目も同様で、両目ともに視力は1.0でした。
ただし、6年ぐらい前から、夕方になると目が霞んできて、何となくテレビが見えにくいなと感じるようになりました。
年相応に目は悪くなっているんだなと思っていました。
そんなある日のこと、壁に掛けてあるウォーキング大会の表彰状を眺めた時に、文字がはっきり読めないことに気が付きました。
どうも視力が落ちているのは確実なようでした。
それでも、眼科でチェックしてもらえばいいだろうと気楽な気持ちで、近所にある眼科医院を訪ねました。
病気が分かった後で思ったのですが、両目で物を見ていたから、異常に気が付くのが遅れたのですね。
簡単には治せないが注射があるらしい
眼科医院で、まず、視力検査をしてもらうと、1.0の視力が0.8くらいになっていた程度でした。
あまり心配も要らないようだと高をくくっていたところ、眼圧検査、眼底検査……など、1時間30分ほどかけて、念入りな検査を受けることになりました。
「アムスラー・チャート」という方眼紙のような表を用いた検査もしました。
左目は問題なかったのですが、右目だけで見ると、マス目が歪んで見えました。
検査を終えた後、医師から、「加齢黄斑変性」という病名を告げられました。
少し難しい病気だということで、総合病院の眼科で治療を受けるようにと言われました。
詳しい病状の説明はなかったのですが、年齢と共に目のレンズに当たる黄斑部がダメージを受ける病気で、眼鏡を作ったり、目薬をさすような簡単な治療では治らないということでした。
病名を聞いて、これはちょっとまずいことになったようだと思い、帰宅してインターネットで調べてみました。
どうやら、目に薬を注射する治療が有効らしいということだけは分かって、少し気が休まりました。