ケース3 退職後に襲われた視力低下
失明の不安は消えて趣味三昧に(気付き~検査)

北海道の工藤さん(仮名、77歳)は、退職後に「加齢黄斑変性」と診断され、失明するかもしれないという不安に直面しましたが、注射で進行が止められたことで、趣味三昧の日々が復活しました。

体験談 画像

工藤さん(北海道)     男性 77歳

症状:視界の中心が黒く曇る・モノが歪んで見える
病名:加齢黄斑変性

視野の中心に黒い影が現れる

画像70歳になったのを機会に、すべての仕事を辞めて、釣り、カメラ、テレビのスポーツ観戦、読書、パチンコ、ドライブ、食べ歩き……趣味三昧の暮らしを送っていました。
家庭菜園でガーデニングをして、野菜や果物を育てているので、毎日の日課もあって結構忙しく、楽しい毎日でした。

4年程前のある日のこと、何気なく左目だけで白っぽい壁を見たところ、右目で見た時より薄暗く、影のように見える気がしました。
気のせいかな、疲れているせいかなとも思ったのですが、それから意識して、新聞や雑誌などの白っぽい部分を、片目ずつで見ては確認していました。
少し気掛かりだったのですが、眼科に行こうとまでは思いませんでした。
ところが、数カ月した頃、左目で見ると、黒っぽく見えていた部分が、はっきりと黒い丸に見えるようになっているではありませんか。

「網膜剥離」「緑内障」「加齢黄斑変性」……など、咄嗟に、テレビの健康番組で見たことがあるいくつかの病名が浮かびました。
どれも、どんな病気なのかはうろ覚えでしたが、自分の目は病気に違いないと思うようになりました。
花粉時期のアレルギーなどで、かかりつけになっている近所の眼科医に診てもらうことにしました。

滲出型の加齢黄斑変性と診断される

画像いつもの簡単な検査と違って、眼底検査、視野検査、視力検査、眼圧検査など、1~2時間をかけて、いくつもの詳しい検査を受けました。
医師からは、「加齢黄斑変性」という病名を告げられました。
医師の説明によると、「物が歪んで見えて、最悪の場合失明に至る場合もあります。しかも、残念ながら完治は難しい」とのことでした。
ただし、現在では、視力低下が抑えられる治療法があるので、一刻も早く、設備の整った病院で治療を受けたほうがいいと勧められたのです。

失明するかもしれないと知らされて、非常に大きな不安を抱きました。
そこで、診察後、すぐに市立病院の眼科の専門医に紹介状を書いてもらいました。
不安でたまらずに、その数日後には予約を取って、紹介された眼科医の診断を受けました。

再度診察してもらい、治療の説明を受けました。
滲出型の加齢黄斑変性で、網膜に異常な血管が生えてきているために、血液の成分が漏れ出て、眼球内に水分がたまっているとのことでした。
血管の新生を抑えるための薬を定期的に注射するのが有効だと言われ、とにかく失明を避けたい一心で、その治療を受けることにしました。